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飲酒リスクに初指針/厚労省/病気・体質別に目安


飲酒リスクに初指針/厚労省/病気・体質別に目安 飲酒ガイドラインのポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 飲酒に伴うリスクを周知しアルコールによる健康障害を防止するため、厚生労働省の検討会は、年齢や体質に応じた留意点などを盛り込んだガイドラインを取りまとめた。飲酒に関する指針を国が策定するのは初めて。病気や健康影響を例示したほか、飲む際は事前に食事を取ったり、休肝日を設けたりするなど体に配慮するよう勧めている。意見公募を経て本年度中に正式決定する。
 指針によると、高齢者は若い時に比べ体内の水分量の減少などで酔いやすく、一定の酒量を超えると認知症発症や転倒のリスクが高まる。10代や20代は脳の発達段階で、多量に飲むと脳機能が落ちるとのデータがあると説明した。飲んで顔が赤くなるなどアルコール分解酵素の働きが弱い人は、口内や食道のがんのリスクが非常に高くなるとの報告があるとした。
 「純アルコール量(グラム)」に注目することが重要とし「酒量(ミリリットル)×アルコール度数(%)÷100×0・8」で計算できると紹介。疾患ごとに発症リスクが異なるため酒量はできる限り少ない方が良く、例えば高血圧などは少量でもリスクを高め、大腸がんは1日当たり約20グラム以上を飲み続けると発症の恐れが上がると注意喚起した。
 参考に、生活習慣病リスクを高める飲酒量として、政府の健康づくり計画「健康日本21(第3次)」にある1日当たりの純アルコール量「男性40グラム以上、女性20グラム以上」も示した。20グラムは、ビール中瓶1本や日本酒1合に相当する。
 避けたい飲み方として、1回の飲酒機会で純アルコール量60グラム以上を摂取する、不安・不眠を解消するために飲む、他人に強要するなどの例を挙げた。健康への配慮では、あらかじめ酒量を決めておく、飲む前や最中に食事を取ったり、アルコールをゆっくり吸収できるよう水を飲んだりする、1週間のうちに飲まない日を設けるといったことが有効だとしている。