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口蓋裂「仕上げ」にヒアルロン酸/手術後修正


口蓋裂「仕上げ」にヒアルロン酸/手術後修正 ヒアルロン酸を注入する前(上)と注入した後の唇 (自由が丘クリニック提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 上唇や歯茎、上顎が割れたまま生まれる口唇口蓋(こうがい)裂は、日本で500人に1人程度ともされる。食事や言語の支障につながるため縫い合わせなど複数回の手術を行う。左右の非対称など見た目の問題は手術で修正できるが、仕上げの難しい微妙な部分もある。東京の美容形成外科クリニックはヒアルロン酸注入による手術終了後の「仕上げ」に取り組んでいる。
 手がけているのは「自由が丘クリニック」(目黒区)の古山登隆理事長。ヒアルロン酸やボトックスの注入などで皮膚のたるみを解消する美容外科が専門だ。
 大学病院で口唇口蓋裂の手術を多く手がけた中北信昭総院長(美容、形成外科)が見た目の問題を解消する美容手術を公的医療保険が使えない自由診療で担当。左右の非対称や傷痕、鼻の変形などを修正している。極めて微妙な修正の場合は「むしろ注入の方が適している例もある」と古山理事長に提案し始まった。
 昨年から手術を終えた大人10人程度に実施。「注入でいとも簡単に非常にきれいになったのを見て驚いた」と中北さん。
 診察して手術よりも適していることを確かめた上で、古山さんがヒアルロン酸0.25~0.5ccを注入し上唇の表面の形などを修正する。ヒアルロン酸は吸収されて次第に減るため「1~2年に1回程度行えば」と古山さん。費用を1回当たり10万円程度までに抑えるのが目標という。