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退職警官らが災害支援団体/震災経験踏まえノウハウ伝授


退職警官らが災害支援団体/震災経験踏まえノウハウ伝授 「災害時警友活動支援ネットワーク」を立ち上げた竹内直人氏=東京都内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 警察OB・OGが持つノウハウを災害対応に生かしてもらおうと、東日本大震災時に宮城県警本部長だった竹内直人氏(66)らがNPO法人「災害時警友活動支援ネットワーク(サンポッド)」(東京)を立ち上げた。遺体の検視や後方支援の他、アドバイザーとして防災訓練への派遣を想定。竹内氏は「防災対策は進んだが補強すべき面がある。震災での経験を役立てたい」と話す。
 サンポッドは昨年9月に設立認証を受け、刑事や警備部門の専門家ら約30人が参加している。懸念される南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった大災害に備えるため、多くのOBらに参加を呼びかけている。
 東日本大震災では、応援部隊の協力を得て発生1カ月間ほどで1万3千を超える遺体の検視に当たった。警察OBからも支援の申し出があったが、二次災害に遭った場合に補償する手だてがなく断らざるを得なかった。そのため、サンポッドでは会員を事前に災害保険へ加入させるなど被災地に派遣できる道筋を探る。応援警察官の宿泊所手配なども担えるとしている。
 また、本来は自治体が担う行方不明者の安否確認や遺体安置所の設置、運営を震災時は警察が受け持つ場合もあった。竹内氏は「当時は形式的な仕切りがどうのこうのと言っていられなかった。遺体の取り扱いなど警察的な色合いが強い分野でサポートできないかニーズを探りたい」と自治体にもアプローチする考えを示した。