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自民派閥解消、是非を議論 刷新本部、意見集約難航も


自民派閥解消、是非を議論 刷新本部、意見集約難航も 自民政治刷新本部の主な論点
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党は11日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、岸田文雄首相(党総裁)直属機関として新設した「政治刷新本部」の初会合を開き、派閥解消の是非を巡り議論した。菅義偉前首相ら無派閥議員が派閥解消を訴えたが、党内には存続を求める声も根強い。首相は「国民から疑念の目が注がれ、極めて深刻だ」と危機感を示したものの、月内の中間取りまとめに向け意見集約の難航が予想される。
 本部長を務める首相は「国民の信頼を回復するため、日本の民主主義を守るため、党自らが変わらなければならない」とも訴えた。
 本部メンバーは最高顧問に就任した菅氏や麻生太郎副総裁ら計38人。このうち事件の渦中にある安倍派から10人、二階派から2人が起用された。麻生派を率いる麻生氏のほか茂木派会長の茂木敏充幹事長、森山派会長の森山裕総務会長と派閥領袖(りょうしゅう)も入ったほか、意見の取りまとめ役には首相側近の木原誠二幹事長代理が就いた。
 菅氏は会合で「非常に分かりやすいのは派閥の解消だ。スタートラインとして進めていく必要がある」と強調。無派閥の小泉進次郎元環境相も「カネと人事の問題を派閥から切り離すべきだ」と語り、派閥パーティーの禁止や政務三役を派閥が推薦する慣例廃止を提唱した。
 出席者からは「派閥には議員教育や政策を研さんする場としての役割もある」との反論も出た。
 派閥の在り方のルール策定に加え、政治資金の透明性拡大、再発防止策が主要議題となる。(1)パーティー券購入団体・個人の公開基準を現行の「20万円超」から額引き下げ(2)パーティー券購入時の資金の流れ透明化に向け、全手続きへの銀行振り込み導入(3)違反者への厳罰化を見据えた政治資金規正法改正―などの改革案が浮上している。