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▽1030 里親制度とは 要保護児童の養育委託


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 私は、妻と二人暮らしをしている40代の会社員男性です。里親制度について以前から漠然とした知識はありますが、詳しくは知りません。里親制度の概要や最近の動向、里親になるための要件などについて教えてください。
 里親制度とは、児童福祉法に基づき親との死別や親の病気、離婚等のさまざまな事情により家庭での生活が困難な要保護児童(以下、児童)の養育を里親に委託する制度です。
 近年、児童が特定の大人と愛着関係を築く中で、自己肯定感や基本的信頼感を育み、将来、自身が家庭を築く際の家庭モデルの習得が期待できる家庭と同様の受け皿づくりに国は力を入れ、里親制度等の推進が図られています。
 里親には、養子縁組を目的とせず児童を一定期間養育する「養育里親」、被虐待児や非行、障がいを有するなど一定の専門的ケアが必要な児童について、養子縁組を目的とせず一定期間養育する「専門里親」、親に代わり親族(民法に定める扶養義務者)が児童の養育を行う「親族里親」、養子縁組によって養親となることを希望する「養子縁組里親」の4種類があります。
 里親の要件は、(1)児童の養育についての理解および熱意、ならびに児童に対する豊かな愛情を有していること(2)経済的に困窮していないこと(親族里親は除く)(3)里親研修を修了していること(4)里親を希望する者およびその同居人が成年被後見人等の欠格事由に該当しないこと、となっています。
 里親を希望する際の申込先は、お住まいの地域を管轄する児童相談所のほか、県内に里親の相談支援の窓口が複数あります。詳細は、沖縄県のHPでご確認ください。 (沖縄県社会福祉士会 兼濱久)
 県ソーシャルワーカー協議会は福祉にまつわる相談を受け付けます。宛先は、〒901-2299宜野湾市、宜野湾郵便局私書箱73号「福祉の窓」係まで。