有料

被災後初、仮設着工 能登地震 生徒集団避難を調整


被災後初、仮設着工 能登地震 生徒集団避難を調整 4県の被害状況(日午後4時現在)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震で甚大な被害が生じた石川県輪島市と珠洲(すず)市で12日、県が被災後初の仮設住宅を着工し、被災地での生活再建の動きが本格化した。一方、輪島市は教育環境が整わない市立中の全生徒を対象に意向を調査し、県南部への一時的な集団避難を調整。行政側は被災地支援と県内外への2次避難の両輪で取り組みを加速する方針だ。被災者は住み慣れた地元に残るか、離れるかの難しい判断に直面する。 (1面に関連)
 各市町が開設した避難所383カ所と県が確保した2次避難所など11カ所に計2万2851人が避難している。住宅被害は4265棟。道路の寸断で約1900人が孤立状態にあり、被災地の多くで電気や水道は復旧していない。
 県は輪島、珠洲両市の計4カ所で合わせて115戸の仮設住宅建設に向けた測量を実施した。1カ月程度での完成を目指すという。能登、穴水両町でも計60戸を整備する方針。
 輪島市は全3市立中の約400人を対象に、保護者の同意を得られた生徒を白山市にある県立宿泊研修施設2カ所に移す想定。家族は伴わず、生徒のみとする。転校ではなく、戻る前提の一時避難だと説明している。
 輪島市によると、12日までに保護者への意向調査を終えた。県と受け入れ態勢を調整した上で、対象とする生徒や規模などを慎重に判断する。