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実施計画は行政文書 陸自、靖国参拝は公務該当か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 陸上自衛隊幹部ら数十人が靖国神社に集団参拝していた問題で、防衛省は12日、陸自の担当部署が作成した参拝の実施計画は、行政文書だったと明らかにした。小林弘樹陸上幕僚副長(陸将)らによる集団参拝が、組織的に計画された公務に該当する可能性がある。
 防衛省の事務次官通達は、宗教の礼拝所を部隊で参拝することを禁じている。木原稔防衛相は12日の閣議後記者会見で、憲法が国やその機関による宗教的活動を禁じていることを挙げ「誤解を招く行動は避けなければならない」と指摘。「判明した事実関係に基づき厳正に対処していく」と述べた。
 防衛省によると、実施計画は、陸自航空事故調査委員会による新年の安全祈願に関するもの。茂木陽報道官は12日の会見で「行政文書として作成され、保存されているのを確認した」と説明した。計画では、集団参拝は9日午後3時半から4時の間の30分間と予定されていた。集団参拝したのは、航空事故調査委の関係者で、防衛省・自衛隊の外部から参加者はいなかった。小林副長ら一部が公用車を使い、他はタクシーや徒歩で移動していた。いずれも時間休を取得し、制服ではなく私服だったという。