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刷新本部議員に裏金か 複数安倍派議員が不記載


刷新本部議員に裏金か 複数安倍派議員が不記載 報道陣の取材に応じる岸田首相=13日午後、首相官邸
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を踏まえ、党内に新設した政治刷新本部のメンバーに就いた複数の安倍派議員が、同派からパーティー収入の一部の還流を受け政治資金収支報告書に記載せず裏金にしていた可能性があることが分かった。関係者が13日、明らかにした。岸田文雄首相(党総裁)は不記載だった議員の交代を否定した。ただ総裁直属機関として発足したばかりの刷新本部の信頼性が揺らぎ、改革への本気度が問われかねない。
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 首相は刷新本部の人選について党執行部を中心に中堅、若手の意見も反映させるという観点から選んだとし「特定の派閥がどうこうというのではない」と説明。当該議員を交代させるかどうか問われ「党が一致結束して信頼回復のための議論を行うに当たって、特定の人間を排除するのは適切ではない」と述べた。
 刷新本部は本部長を務める首相を含め計38人で構成。このうち事件の渦中にある安倍派からは、岡田直樹前沖縄北方担当相や野上浩太郎参院国対委員長、藤原崇青年局長ら最多となる10人が起用された。
 東京地検特捜部は安倍派の裏金づくりが長年続いていたとみて捜査。逮捕された池田佳隆容疑者=自民除名=を含む所属議員99人の大半が還流を受けていたとされ、裏金は直近5年間で6億円規模になる可能性がある。
 刷新本部は11日に首相も参加し初会合を開き、派閥解消の是非を巡り議論した。派閥の在り方のルール策定に加え、政治資金の透明性拡大が主な議題となる見通しだ。
 安倍派のメンバーは岡田、野上、藤原、高橋4氏のほか、青年局長経験者の佐々木紀氏、女性局長経験者の高階恵美子、上野通子、太田房江、松川るい、吉川有美各氏だ。
報道陣の取材に応じる岸田首相=13日午後、首相官邸