有料

中国「台湾独立は粉砕」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北京共同】中国の習近平指導部は台湾独立派と見なす台湾与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統が総統選で勝利したことを受け、表向き経済や外交、軍事のあらゆる面で対抗措置を取り、民進党政権への圧力を強める構えだ。台湾統一のため武力行使を排除しない方針をちらつかせ、台湾に武器を売却する米国に対し「内政干渉」をしないよう強い姿勢で臨む。
 頼氏が過去に「実務的な台独(台湾独立)工作者」と自称するなど独立志向の強い発言をしていたことから、台湾を領土と見なす中国は敵視し「平和の破壊者」「戦争メーカー」などと呼んで頼氏を個人攻撃してきた。
 中国は今回の総統選を「戦争か平和かの選択」と主張。投開票日前日の12日に中国国防省報道官は「台湾独立は粉砕する」と民進党を威嚇した。これまで以上に台湾周辺での軍事演習や戦闘機飛行などを繰り返すとみられる。
 経済面では貿易で打撃を与える戦略だ。今月1日に民進党政権の対中貿易政策への対抗措置として一部製品への関税優遇を停止しており、農漁業や機械、自動車部品、繊維といった分野に拡大することを検討している。
 習指導部は台湾と外交関係のある国と国交を結び、台湾と断交させて台湾が外交関係を有する国を過去最少の13カ国に減らした。