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日本、台湾海峡の緊張警戒


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本政府は、台湾総統選で与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統が当選した結果を歓迎する一方、中国が独立派と見なす頼氏の勝利に反発して軍事的圧力を強め、台湾海峡の緊張が高まる事態を警戒している。米国と連携して抑止力を高めつつ、中国とも対話を維持し、武力統一に踏み切らないよう自制を求める考えだ。
 林芳正官房長官は15日の記者会見で、台湾に関し「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人だ」と強調。日台関係については「1972年の日中共同声明を踏まえ、非政府間の実務関係を維持する」と説明した。
 頼氏の当選が決まった13日夜に早速、上川陽子外相が談話で祝意を表し、14日には「日華議員懇談会」の古屋圭司会長や対台湾窓口機関の日本台湾交流協会会長が頼氏と面会して、協力深化を図った。ただ中国政府で台湾政策を担う台湾事務弁公室は、頼氏の勝利に「民進党は台湾の主流な民意を代表しているわけではない」と不満を表明。在日中国大使館は上川氏の祝意に反発した。