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ポイ活で医療費3億円減/岡山市、健康イベント参加促す


ポイ活で医療費3億円減/岡山市、健康イベント参加促す 事業期間中の1人当たり総医療費
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 運動イベントへの参加など健康づくりの活動をするとポイントがたまり、商品券や景品に交換できる―。岡山市が3年近く続けた、そんな事業によって総医療費が約3億円も抑えられたとする研究結果が公表された。
 この事業は「おかやまケンコー大作戦」。日常的に介護を必要とせず自立した生活ができる「健康寿命」を延ばすことを目指して2019年4月~21年12月に実施され、35歳以上の約4200人が継続してポイントを獲得しながら参加した。
 同市の依頼を受け、千葉市の一般社団法人日本老年学的評価研究機構(JAGES)が事業の効果を分析したところ、運動習慣のある人の割合が57%から61%に増え、参加時に肥満だった人の20%で肥満が改善したとの結果が得られた。
 国民健康保険(国保)か後期高齢者医療の加入者で事業に参加した約1300人と参加しなかった約900人について、この間にかかった1人当たりの総医療費を比べたところ、参加者の方が約19万8千円少なかった。
 事業開始前の1年間の1人当たり総医療費は、参加者の方が約1600円低いだけだった。事業によるこの間の総医療費抑制効果は国保と後期高齢者医療の加入者分だけで約3億円に上るという。
 この事業は「ソーシャル・インパクト・ボンド」という仕組みで実施された。市の事業費と民間の出資金で運営され、総事業費は約3億7千万円だった。