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首相 パーティー禁止検討 派閥在り方巡り党内で賛否 自民・政治刷新本部会合


首相 パーティー禁止検討 派閥在り方巡り党内で賛否 自民・政治刷新本部会合 自民党の政治刷新本部であいさつする岸田首相=16日午後、東京・永田町の党本部
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、派閥パーティーの開催を禁止する方向で検討に入った。複数の関係者が16日、明らかにした。派閥の資金問題に国民の疑念が高まっていることを踏まえた。自民党は16日、政治刷新本部会合を開き、党改革に向けた全党議論を実施した。派閥の在り方を巡り、無派閥議員を中心に解消論が相次いだ一方、肯定的な見方も出され、賛否は割れた。
 派閥パーティーの収入は億円単位に上るケースがあり、利益率の高さから「事実上の企業・団体献金」との批判がある。首相は政治不信につながっているとして、資金や人事に影響力を持つ派閥の在り方について党内議論を注視する構えだ。
 党によると、刷新本部会合には党所属議員約380人のうち150人前後が出席。50人以上が発言し、3時間にわたった。本部長を務める首相は「国民の信頼を回復するため、日本の民主主義を守るために自民党は変わらなければならない」と協力を呼びかけた。
 派閥の是非が主要論点となり、無派閥の和田政宗参院議員は現在六つ存在する全ての派閥の廃止を求めた。三原じゅん子参院議員は会合後の取材に「派閥が国民から疑念を抱かれている」と派閥解消を訴えた。
 一方、刷新本部役員を務める茂木派の鈴木貴子衆院議員は記者団に「今回の問題は政治資金収支報告書への不記載の問題。派閥が悪の温床だというのは論点が違う」と解消論をけん制。二階派の鷲尾英一郎衆院議員は、派閥による人材育成機能を肯定的に捉えた。
 東京地検特捜部が捜査を進めている安倍派からは、宮沢博行前防衛副大臣、若林健太衆院議員らが安倍派解散を唱えた。
 政治資金規正法を改正し透明化、厳罰化を図る意見も両論があった。リクルート事件を経て1989年に党が定めた政治改革大綱に明記する閣僚、党幹部の派閥離脱の徹底を求める声も出た。