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中学生 集団避難始まる 能登地震 4月も帰れない恐れ


中学生 集団避難始まる 能登地震 4月も帰れない恐れ 石川県白山市への集団避難を前に、両親の見送りを受ける中学生=17日午前、石川県輪島市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震で小中学校の再開が見通せない石川県輪島市で17日、中学生が集団避難した。学びの環境を確保するためで、保護者の元から離れ、100キロ先の同県白山市の宿泊研修施設で異例の共同生活を送る。避難したのは市立中全3校の約400人中、希望した1年生73人、2年生81人、3年生104人の計258人。市は最大約2カ月間と見込み、水道や住環境などの回復に努めて円滑な帰還を目指すとするが、先行きは不透明だ。 (3、26面に関連)
 県や輪島市によると、同市で新たに10人の死亡が確認された。地震による死者は17日午後2時時点で災害関連死14人を含む計232人となり、県は男女16人の氏名を公表した。
 馳浩知事は17日、珠洲市と能登町の中学生も21日に金沢市の施設に集団避難すると明らかにした。珠洲市は約100人、能登町は約40人。輪島市の避難期間については「地元に戻って新年度を迎えるのがベスト」としつつ、4月以降も続く可能性があるとの見方を示した。
 2000年には伊豆諸島の三宅島(東京都三宅村)の噴火で全島避難となった際に小中高生約360人が旧都立高で寮生活をしたことがあった。
 輪島市の道の駅では17日午前、大きな荷物を抱えた生徒が次々とバスに乗り込み、家族らは「メールして」「野菜食べてね」「勉強もするんだよ」と声をかけ見送った。