有料

特定少年に死刑判決 甲府地裁 夫婦殺人放火、当時19歳


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 甲府市で2021年10月、同じ高校に通っていた女性の両親を殺害し、住宅に放火したとして殺人などの罪に問われた、当時19歳の男の被告(21)の裁判員裁判判決公判で、甲府地裁は18日、求刑通り死刑を言い渡した。22年4月施行の改正少年法で実名公表が可能となった「特定少年」への初の死刑判決。 (27面に関連)
 特定少年は、特例で設けられた18、19歳で、重大事件を起こした場合、大人と同じ刑事裁判を受ける。三上潤裁判長は被告の刑事責任能力を認め、「更生可能性は完全に否定されないが低い」と指摘。年齢について「死刑を回避すべき決定的事情とはいえない」と述べた。
 判決理由で動機について、好意を寄せていた女性からの交際を断るLINE(ライン)などをきっかけに絶望感や怒りを覚え「女性以外の家族全員を殺して、女性に心身ともに大きな傷を与えようと考えた」とした。

 ◇琉球新報は、更生を重んじる少年法の理念を重視し、19歳以下の犯罪は原則として匿名で報じています。甲府地裁判決について、被告が起訴当時19歳だったことから匿名で報じます。