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首相、岸田派解散の意向 自民裏金 元会計責任者立件へ


首相、岸田派解散の意向 自民裏金 元会計責任者立件へ 記者団の取材に応じる岸田首相=18日午後、首相官邸
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は自民党岸田派(宏池会)を解散し、派閥事務所を廃止する意向を固めた。複数の同派幹部と18日に協議して判断した。東京地検特捜部が政治資金規正法違反(虚偽記入)の疑いで、岸田派の元会計責任者を立件する方針を固めたことが新たに判明し、対応を迫られた。派閥パーティー裏金問題が立件される安倍派(清和政策研究会)でも解散論が浮上した。特捜部は19日、安倍派の会計責任者と二階派(志帥会)の元会計責任者を在宅起訴するなど一斉に刑事処分する。 (3、6面に関連)
 首相には派閥解消を主導して世論の批判をかわす狙いがあるが、政治不信の拡大を止められるかどうかは見通せない。
 首相は18日午前には「事務的なミスの積み重ねだと報告を受けている」と官邸で記者団に述べていたが、夜になり、岸田派解散について「検討している。政治の信頼回復に資するなら考えなければならない」と語った。他派閥に解散を求めるかどうかは明言を避けた。昨年12月まで岸田派会長を務めていたが、政治資金問題を踏まえて岸田派離脱を表明していた。
 元会計責任者の立件方針を巡り、首相は自身の責任への具体的な言及を避けている。政治資金収支報告書の記載漏れなどに関し「事務処理上の疎漏であると承知しているが、私自身、在任中から今日まで、それ以上のことは承知していない」と述べるにとどめた。
 一方、安倍派幹部は「安倍派を解散するのも一つの選択肢だ」と取材に述べた。別の幹部は「解散するしかない」とした。安倍派は派閥パーティーの販売ノルマ超過分を収支報告書の収入に記載せず議員側に還流させていたとして、会計責任者のほか、複数の所属議員も立件される見通しだ。宏池会、清和政策研究会とも政治団体として総務省に届け出ている。