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サインと声、体全体で「第九」 ホワイトハンドコーラス 有志ら総勢100人熱演


サインと声、体全体で「第九」 ホワイトハンドコーラス 有志ら総勢100人熱演 「第九」を披露するホワイトハンドコーラスNIPPONの子どもたち =2023年12月27日、沖縄市民会館大ホール
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 障がいのある子もない子も共に活動するインクルーシブ合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」(エルシステマ・コネクト主催)が2023年12月27日、ベートーベンの交響曲第9番を披露する「見える! 第九コンサート」を沖縄市民会館で開いた。沖縄で活動する子どもたちを中心に東京や京都の子どもらと県内の音楽家らが共演し、ドイツ手歌版による「第九」を初披露した。「第九」の指揮は武田光史、サイン隊指揮はコロンえりかが務めた。
 「ホワイトハンドコーラス」は白い手袋をし手の表現で歌う手歌「サイン隊」と、合唱で歌う「声隊」などで構成する。表情や手歌などで「歓喜の歌」を身体全体を使って表現した。「第九」のピアノは大藪祐歌、照屋恵悟、パーカッションは屋比久理夏。声楽ソリストは知念利津子、新垣寿賀子、照屋陽、仲本博貴。手歌ソリストは奈苗、信太美紗生、並木晴二郎、井崎哲也。合唱指揮は加藤洋朗。コーラスや合唱団、有志ら総勢100人が出演した。
 第九はベートーベンが晩年、耳が全く聞こえない中で書き上げた作品。「第九プロジェクト」のコロンえりか共同代表は「苦しいことがあってもその先に喜びがあるということを心の底から信じていたベートーベンの強い信念が込められている」と第九について語った。2年前にホワイトハンドコーラスで初挑戦した際、耳が聞こえなかったベートーベンにも届けたいとメンバーからの提案を受け、プロジェクトが発足したと経緯を振り返った。
 24年は「第九」は初演から200周年の年。2月に、沖縄を含む全国のメンバー約80人がオーストリア・ウィーンに渡航し、国会議事堂での単独コンサートと、国連ウィーン事務局でのゼロ・プロジェクト世界会議「Zerocon24」特別公演で「第九」を演奏する予定。 (田中芳)