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沖縄アレルギーゆいまーるの会 田村 磨理 自己管理能力を養う


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 明けましておめでとうございます。このコラムを担当させていただいてから、新年のあいさつは2回目となります。
 2024年の始まりは能登半島地震、航空機事故と心が落ち着かないスタートでしたが、復興に向けてここから前向きな一年になる事を願うとともに、震災に遭った皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 アレルギーのある方はこうした災害の際、普段からの備えや「自助」がとても重要になります。ですが、じつは災害時だけでなく「自分で自分の身を守る力」は日ごろから養っておく必要があります。
 食物アレルギーがある場合親の目の届かなくなる年齢、例えば修学旅行などで「事前に確認はしているけれど本当に大丈夫か」と自分で最終確認し、判断する必要があります。自分のアレルギーの事を理解していないと、誤食から発症してしまう危険性があるため、近年ではなるべく早い年齢からアレルギーと向き合う練習をすることが推奨されています。
 3歳ごろになればいろいろな食べ物の名前も分かってきますし、自分の不快な症状も大人に伝えることが出来ます。まずは「周囲に自分の状況を伝える」ことが自分を守るためにクリアできたらいいかな、と思っています。
 実は大人になればなるほど周囲に迷惑をかけたくない、という思いからか状況を伝えられず、自分で何とかしようとする傾向になっていく気がします。食物アレルギーはもちろんですが、レベルによってはぜんそく発作も命に関わる場合があります。
 周囲に助けを求めることは決して恥ずかしい事ではありません。そして、そうした訴えを迷わずできるようになるためには、周囲の理解が必要です。
 食物アレルギーは好き嫌いではありません。ぜんそく発作は風邪ではありません。
 私の息子は今年、受験生です。いよいよ本格的に親元を離れる準備に入ります。勉強を含めて自己管理能力を身につけるサポートを今年の抱負にしたいと思います。