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救急搬送にマイナ保険証/迅速化へ47消防試験運用


救急搬送にマイナ保険証/迅速化へ47消防試験運用 救急搬送時のマイナ保険証活用のイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 総務省消防庁は、救急搬送の現場で、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の活用に乗り出す。オンラインで傷病者の受診歴などを取得すれば、搬送先選定の迅速化が期待できるのが理由。2024年度に全国47消防本部で試験運用した上で使い勝手の良いシステムを構築し、25年度からの本格導入を目指す。
 傷病者の情報は現在、救急隊員らが口頭で聞き取っており、本人の記憶が曖昧だったり、十分な会話ができなかったりすると把握が難しいケースがある。試験運用では、救急隊員らが本人の同意を得てマイナ保険証をカードリーダーで読み取り、タブレット端末で医療情報システムにアクセス。かかりつけ医や服薬履歴などの情報を得て、搬送先を選定する。
 全国722消防本部から47消防本部を選び、計500隊で24年5月ごろから順次実施する予定。22年度に6消防30隊で実験したが、マイナ保険証を使っている人が少なく、十分な結果が得られなかった。マイナカード普及が進み、保険証とひも付けている人が7千万人を超えたのを受け、対象の消防を拡大して試験運用をすることにした。
 22年度の実験では、情報を閲覧できるのは救急救命士に限定していたが、より迅速に作業を進められるよう救命士免許のない救急隊員も見られるようにする。また、システムにアクセスする手順が煩雑で情報取得に時間がかかっていたため、見直す方向だ。