有料

芸歴50年 心と技披露/八重山古典民謡/仲大底博也公演


芸歴50年 心と技披露/八重山古典民謡/仲大底博也公演 独唱で味わい深い歌声を披露する仲大底博也 =12月16日、浦添市の国立劇場おきなわ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 仲大底博也の「八重山古典民謡芸歴五十周年記念公演 歌ぬ道肝あーし」が12月16日、浦添市の国立劇場おきなわであった。大濱安伴に師事し長年磨いてきた八重山古典民謡の心と技を存分に披露した。仲大底博也研究所の門下生らも独唱や斉唱で出演し、節目公演を共につくり上げた。
 幕開けは「鷲(ばすぃ)ぬ鳥(とぅるぃ)節・鶴(つぃる)亀(かみ)節・かたみ節」の斉唱。「鷲ぬ鳥節」は、親わしと若わしが元旦に陽光を浴びながら飛び立つ様子を歌う。晴れやかな歌声が幕開けを華やかに演出した。
 「とーがにすざー節」では仲大底が独唱を披露した。宮古から伝えられた歌で、恩師である宮良實義のおはこ。感謝の気持ちを込めて情感たっぷりに歌い上げた。
 「月ぬかいしゃー節」は、八重山の代表的な子守歌。中学3年生の白根大雅が独唱で、みずみずしい歌声を響かせた。「新しょんかねー」は、与那国の二揚げ調の「しょんかね節」を大濱安伴が本調子に編曲した。太田いずみの張りのある歌声が印象に残った。
 仲大底は「とぅばらーま」の独唱を大濱安伴の歌詞で披露した。舞台で「とぅばらーま」は初挑戦となる。生活の中で即興的に歌い始められた歌。はやしとの掛け合いが美しかった。フィナーレは「弥勒(みるく)節」。幕が上がる前から会場は手拍子が湧き上がり、最高潮で幕を閉じた。  (田吹遥子)