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▽1032 ソーシャルワーカーの専門性は グローバル定義を基に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 私はソーシャルワーカーとして仕事をしたいのですが、その専門性や関わる方々(クライエント)との関係などがうまく説明できず、周囲にもなかなか理解してもらえません。今後のために助言をお願いします。
 専門性を考える上で、古くからの専門職である医療や宗教から考えてみました。
 これらの領域には、多くの人に支持される固有の知識、実践の方法、高い倫理観などを見ることができます。中でも、倫理綱領や教典には、所属する人の義務やとるべき行動などが明示されています。
 ソーシャルワークの内容やあり方を示すのは、「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(IFSW)であり「ソーシャルワーカーの倫理綱領」(JASW)です。なぜなら、そこにソーシャルワーカーの知識、技術、行動の原理・原則などが示されているからです。
 グローバル定義には、ソーシャルワークの原理や使命、知識などが示されています。その原則のもとに、個々の価値観の尊重、攻撃や排除をしないこと、人々の平等や福祉の保障、秩序の維持等を基本として、そのクライエントの主体的挑戦に寄り添い、ウェルビーイングを高めるようさまざまな構造に働きかけることなどが示されています。
 クライエントとの関係では「バイステックの七原則」が参考になるかと思います。その中では、その人の属性を取り外し、その人そのもの(内在的価値)と関わる「個別化」、クライエントのいろいろな表現を理解するための「意図的な感情表現」など、ワーカーがクライエントとの関係をどのように築くべきかが示されています。(沖縄ソーシャルワーカー協会 安里斎秀)
 県ソーシャルワーカー協議会は福祉にまつわる相談を受け付けます。宛先は、〒901-2299宜野湾市、宜野湾郵便局私書箱73号「福祉の窓」係まで。