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パソコン集中 正確に 障がい者ITサポート 池宮 樹生さん おきなわ


パソコン集中 正確に 障がい者ITサポート 池宮 樹生さん おきなわ 丁寧・正確に作業することを心がけている池宮樹生さん=24日、浦添市内間の「障がい者ITサポートおきなわ」
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 入り口のドアを開けると向かい合わせで机が並ぶ。白い壁に囲まれた部屋の中にはパソコンに向かう人の姿と、キーボードのタイピング音が響く。浦添市内間にある「障がい者ITサポートおきなわ」の池宮樹生(みきお)さん(29)=那覇市=はパソコンの画面を見つめ、集中した様子で文字を入力していた。
 就労継続支援A型とB型の両方を担う同事業所は、業者から委託されたデータの入力作業や、名刺の点字印刷、会議や宴会で使用する横断幕を作成している。
 池宮さんが同事業所に通所し始めたのは2022年5月から。軽度の脳性まひで左半身が動かしにくい。以前はIT系のA型事業所に約5年間通所していた。体調を崩し、次の事業所を探していたところ、計画相談員の勧めでITサポートおきなわを知った。「見学で訪れた際のゆったりとした雰囲気と優しい職員に魅力を感じた」といい、通所を決めた。
 現在はB型に通所し、新聞記事を文書作成ソフトに入力する作業をしている。「漢字の変換ミスをなくし、正確に打つことを心がけている」と話す。23年12月にはエクセル表計算処理技能認定試験の3級も取得した。
 職業アドバイザー主任の砂川昭人さんは「笑顔がすてき。みんなに幸せを与えてくれるような存在です」と笑みがこぼれる。
 県立鏡が丘特別支援学校高等部時代は、アーチェリーもしていた。2011年には九州身体障害者アーチェリー選手権大会に出場し、優勝した経験もあるほどの腕前だ。
 「今後はA型事業所にもチャレンジしてみたい」。柔和な表情を浮かべる池宮さんの目は、りりしさも感じさせた。 (渡真利優人)