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年始め舞台 若手好演 伝統組踊保存会 2日間で4演目


年始め舞台 若手好演 伝統組踊保存会 2日間で4演目 「花売の縁」で森川の子(右・平田智之)と再会する妻の乙樽(左・宮城茂雄)と鶴松(真栄城寿輝) =7日、浦添市の国立劇場おきなわ
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 伝統組踊保存会の「2024新春組踊大公演」が6、7の両日、浦添市の国立劇場おきなわであった。6日は執心鐘入と万歳敵討、7日は花売の縁と護佐丸敵討(二童敵討)を上演した。ベテランと若手がそろって出演し、年の初めを晴れやかな舞台で彩った。7日の公演を取材した。
 「花売の縁」は、立方責任者が真境名律弘、地謡責任者が大湾朝重。首里の侍である森川の子(平田智之)は生活が苦しくなり、妻の乙樽(宮城茂雄)と子の鶴松(真栄城寿輝)を首里の貴族に預けて大宜味で働く。十二、三年後、森川の子を訪ねて妻子が大宜味へ。花売りをする森川の子と再会する。道中で出会う猿引(山崎啓貴)と猿(平田征乃丞)のやり取りや、猿の踊りが生き生きとして観客を楽しませた。
 「護佐丸敵討(二童敵討)」は、立方責任者が海勢頭あける、地謡責任者が池原憲彦。あまおへ(阿麻和利・宇座仁一)に殺された護佐丸の遺児である鶴松(仲村圭央)と亀千代(高井賢太郎)が、あまおへに敵討ちをする物語。宇座が演じるあまおへは豪快で、所作や表情にも存在感もある。対する鶴松・亀千代兄弟は、仲村と高井の若手コンビ。動きには少し硬さも感じたが、終始爽やかに好演した。
 「花売の縁」はこのほか真境名律弘が立方で出演。歌三線は大湾朝重、稲嶺盛律、上原伸浩、新垣勝裕、箏は国吉裕子、笛は仲田治巳、胡弓は祖堅信義、太鼓は金城盛松。「護佐丸敵討」はこのほか石川直也、安次嶺浩和、島袋浩大、森山和人が立方。歌三線は池原憲彦、宇栄原宗勝、謝敷アンヘル、喜納吏一、箏は野里葉子、笛は宮城英夫、胡弓は稲嶺一夫、太鼓は神山常夫。  (田吹遥子)