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彼方の閃光 ミハマ7プレックスで公開中 生きることへの問い


彼方の閃光 ミハマ7プレックスで公開中 生きることへの問い
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 劇場から出たとたん、尚玄さん大ファンのスタッフと出くわした。互いの口から出たのは、「今回の尚玄さんの糸洲役、最高!」だった。

 全盲で生まれた光(眞栄田郷敦)は手術により10歳で視力を取り戻すが、色は失われたまま。その光が長崎で出会ったのが友部。2人がドキュメンタリー映画を撮ろうと訪れた沖縄での、宿のオーナー兼案内役が尚玄さん。客の沖縄への言動に戸惑いながらも、最後に吐露する沖縄人としての思いに大きくうなずく。

 「わかるかわからないではなく、おまえはどう思うのだ?」と友部は繰り返すのだが、その言葉は私たちにも向けられる。東松照明の写真の多用とモノクロの画面も、全編で「おまえはどう生きたいのだ?」と問いかけてくる。

 30年後の未来を考えながら今を生きることの覚悟を、正面から突きつけられたような映画だ。存在感のある俳優さんだと思ったら、沖縄出身のラッパーだという詠美役のAwichさんも秀逸。監督は半野喜弘。

(スターシアターズ・榮慶子)