【ワシントン、ベイルート共同=比嘉杏里、吉田昌樹】米中央軍は2日、ヨルダンの米軍施設で米兵3人が死亡した無人機攻撃への報復としてイラクとシリアで攻撃を行った。無人機攻撃は親イラン武装勢力の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」が実行したとし、イラン革命防衛隊で対外工作を担う「コッズ部隊」や親イラン民兵組織を狙い、七つの施設で85以上の標的を空爆した。 (7面に関連)
バイデン大統領は声明で報復は「われわれが選ぶ時間と場所で続く」と予告した。
中央軍によると、125発以上の精密誘導弾を使い、司令や情報収集の拠点、補給施設、無人機の保管庫などを攻撃した。米本土から飛来したB1B戦略爆撃機も参加した。イラク首相府やシリア人権監視団によると計39人が死亡。親イラン武装勢力がさらに反撃する恐れもあり、中東の緊張が一層高まりそうだ。
イラン外務省報道官は3日の声明で、米軍の報復を「地域の緊張と不安定さを増すだけだ」と非難。シリア、イラク両軍もそれぞれ批判した。
監視団によると、シリア東部デリゾール県で空爆があり、親イラン民兵組織のメンバーら23人が死亡。イラク首相府によると、シリア国境に近いイラク西部カイムなどが空爆され、16人が死亡、25人が負傷した。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は2日、記者団に、空爆は「成功したと考えている」とした上で「駐留米軍への攻撃をやめろという警告だ」と指摘。数日以内に報復攻撃を再び行うとの見通しを示した。
イラクで3施設、シリアで4施設を攻撃し、イラク政府には事前に通知したと説明。「イランとの紛争は望んでいない」とも語った。
昨年10月にパレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、中東で米兵が攻撃により死亡したのは今回が初めて。
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米、親イラン組織に空爆 イラクとシリアで 大統領「続ける」
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琉球新報朝刊
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