鼻粘膜上の抗体が新型コロナウイルスの体外への排出を抑え別の人にうつしにくくしている可能性があることが分かったと、名古屋大などのチームがこのほど発表した。コロナ感染歴やワクチン接種歴があると、抗体の反応が早まることも判明。「粘膜の抗体の反応を早められれば、感染拡大を防ぐことができる」と期待している。
粘膜の抗体は、体内へのウイルス侵入を妨げて感染を防止する役割があるとされる。チームは、国の積極的疫学調査で得られたオミクロン株感染者122人のデータと試料を分析し、鼻の粘膜表面で分泌される抗体が他の抗体と比べ、ウイルス量や感染力を強く抑制する傾向を発見した。
この粘膜の抗体が反応するまでの期間が短くなると、ウイルスの排出期間も短縮することから、この抗体が排出を抑える可能性があるとしている。また、感染歴とワクチン接種歴がある場合、抗体の反応が早まり、感染歴があれば排出期間がほぼ半減することも判明した。
名古屋大の岩見真吾教授(数理科学)は「抗体が反応するまでの時間を指標にすれば、粘膜の免疫を標的としたワクチン開発がしやすくなる」としている。
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コロナうつしにくくなる?/名古屋大チーム/鼻粘膜抗体が排出抑える
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琉球新報朝刊
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