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自民不記載85人5.8億円 二階氏最高額 裏金「派閥が指導」


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 自民党は13日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた全所属国会議員アンケートの結果を公表した。2018~22年に政治資金収支報告書への不記載があったのは85人(うち現職82人)、総額約5億7949万円だった。資金還流について、安倍派を念頭に「一部派閥が報告書に記載しないよう指導していた」と明記。中には、会計士の監査を通じて不正の可能性を指摘された例もあった。野党は、自民執行部による身内調査であり使途も依然不明のままだと批判を強めた。 (3面に関連)
 対象は、党派離脱中の衆参両院議長を除く現職374人と、選挙区支部長10人の計384人。野党は裏金事件に関係した議員について国会の政治倫理審査会出席を要求しており、自民は全議員アンケートや、不記載議員への聞き取り調査を踏まえて対応を検討する。
 アンケート結果によると、不記載額が最も多かったのは二階俊博元幹事長で3526万円。三ツ林裕巳衆院議員2954万円、萩生田光一前政務調査会長2728万円と続いた。1千万円を超えた議員は20人に上った。
 会計士から「収入が記載されないのは、あり得ない」と指摘され、還流額を政党支部への寄付や借入金として扱ったケースや、選挙管理委員会の指導を受け「その他の事業収入」とした例があったと明かした。不正に気付きながら改める機会を逃したとみられる。
 調査対象からは、引退した議員や自民を離れた議員を除外した。このため政治資金規正法違反の罪で起訴された衆院議員池田佳隆被告=自民除名=や、在宅起訴された参院議員大野泰正被告=自民離党、略式起訴された谷川弥一前衆院議員=同=は含んでいない。