有料

チマキでベトナム正月楽しむ 料理手作り、住民同士で交流 親子日本語サークルが企画


チマキでベトナム正月楽しむ 料理手作り、住民同士で交流 親子日本語サークルが企画 ベトナムの正月を体験する催しの参加者たち
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 旧正月を祝うベトナムの伝統料理バインチュン(チマキ)を作る催しが4日、那覇市の若狭公民館で開かれた。就労や留学で県内で暮らすベトナムの人たち、ベトナムに関心のある人、地域住民ら50人が参加し、ベトナム料理や正月行事を楽しんだ。企画したのはベトナムの子どもに日本語や勉強を教える「親子日本語サークル」。代表のグェン・ド・アン・ニェンさんは「ベトナムから沖縄に来た子どもたちに楽しい経験をしてもらいたい。沖縄の人にもベトナム文化に触れて理解を深めてもらいたい」と話した。
 チマキはベトナムの正月に欠かせない料理。この日は麺料理(フォー)やおこわ(ソイ)も並んだ。調理したのは、県内在住のベトナムの女性たち。昨年、夫の仕事で移住したカオ・ティホンヂェプさんは小学生の息子がいる。「息子はまだ沖縄になじめていないが、うれしそうにしていた。ベトナム文化を紹介できてよかった」と話した。那覇市で家族と暮らすファム・ティニャンさんも「ベトナム人も日本人も楽しそうで、うれしかった」と話した。
 県内在住のベトナム人は2023年6月末現在、2300人余り。家族を伴って来沖する人も多い。しかしベトナム語の支援は少ない。子どもの中には学校で日本語の授業についていけず、疎外感を抱く子もいる。
 「親子日本語サークル」はそんな子どもを支援しようと昨年4月に設立された。毎週日曜、那覇市内で宿題や予習復習を支援する。現在小学生5人が通う。
 指導するのは、県内大学でベトナム語を教えるニェンさんの他、国語教育の専門家やベトナム語翻訳家ら。琉球大学留学生のグェン・ファンドックホアンさん(28)は、子どもたちのお兄さん的な存在だ。ベトナム語も気兼ねなく使えるサークルは、子どもたちの居場所の役割も果たしている。ニェンさんは「学校で言葉の壁を感じ、周囲になじめない子どもがいる。学校も日本語を話せない児童に教える負担は大きい。子どもと学校の両方の負担を減らしたい」と話した。 (岩崎みどり)