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ネット54%著者・文献明示せず 厚労省調査 食と健康の日本語情報


ネット54%著者・文献明示せず 厚労省調査 食と健康の日本語情報 食と栄養に関するオンライン情報の調査結果
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 関心が高い食や栄養に関連する情報はインターネット上にあふれるほど満ちているが、うのみにするとまずいものもあり、付き合い方のこつを知っておいた方がいい。こうした問題意識から、厚生労働省の研究班が日本語で書かれたオンライン情報約1700個を分析すると「引用した文献などの著者や編者を明示していない」が54%、「広告を含む」は58%もあると分かった。
 班代表の村上健太郎東京大教授(栄養疫学)は「科学的ではない情報が含まれている例が相当あると考えられる。全部が正しい情報ではないと認識してほしい」と話す。
 例えばダイエットの方法。ご飯やパンなど糖質の多い炭水化物を減らす方がいいのか、揚げ物や加工肉など脂質を減らす方がいいのか。村上さんによれば判定は難しい。「どちらもある程度うまくいきますが、短期か長期かにもよります。続けられるかどうかは人によって違うのです」
 著者名の有無などは信頼性の目安になるが、対象となる情報の内容は「ダイエット」「健康効果」「ビタミン」などと幅広く、信頼できない情報に共通する特徴を見いだすのは容易ではない。発信する主体も食品、IT、製薬ほかの企業やマスコミ、医療機関、学術団体などとまちまちだ。
 研究班の最終目標は、こうした情報に向き合うためのガイドラインを作成することだという。