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中北部伝統の舞 演目多彩に披露 国立劇場で民俗芸能祭


中北部伝統の舞 演目多彩に披露 国立劇場で民俗芸能祭 本部町伊豆味の豊年祭で踊られる舞踊「長伊平屋節」。琉舞公演などでは見ることができない貴重な踊り=1月28日、浦添市の国立劇場おきなわ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国立劇場おきなわ開場20周年を記念した民俗芸能公演「沖縄本島民俗芸能祭」が1月28日、浦添市の同劇場であった。棒術や獅子舞、シヌグなど本島中北部の各地に伝わる郷土芸能を多彩に披露した。
 同劇場がある浦添市勢理客に伝わる「勢理客獅子舞」で幕開け。約400年の歴史がある勢理客獅子舞には11種類の舞型がある。公演では、遊戯的な舞型「モーヤー」の中から「二方」を演じた。
 続いて読谷村波平に伝わる棒術「波平棒」が披露された。1750年ごろ、津堅島の「津堅アカナー」という人物が波平で奉公した際、波平の住民への恩返しに教えたと言われている。大勢の演者が舞台に立ち、組棒を繰り出す様子は勇壮で、臨場感があった。
 本部町伊豆味からは舞踊「長伊平屋節」「大願口説」を披露した。どちらも伊豆味の豊年祭りに欠かせない舞踊だ。「長伊平屋節」は古典女踊の様式を持った舞踊だが、琉舞の公演では見られない貴重な踊り=写真。その場で足踏みするような振りなど、特徴的な舞が印象的だった。このほか、本部町具志堅の「シニーグ舞」や今帰仁村謝名の「稲しり狂言」などが演じられた。 (田吹遥子)