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来年度予算、月内成立へ 衆院通過、巨額112兆円


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 2024年度予算案は2日の衆院予算委員会と本会議で、与党の賛成多数により可決され、衆院を通過した。憲法の衆院優越規定に基づき3月中の成立が確定した。採決日程を巡る与野党攻防が激化した結果、異例の土曜日の審議となった。一般会計の歳出総額は112兆5717億円で、23年度当初の114兆円に次ぐ過去2番目の巨額予算。審議の場は参院に移る。野党は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り追及を続ける方針だ。 (3面に関連)
 与野党は参院予算委で4、5両日に岸田文雄首相と全閣僚が出席する基本的質疑を実施する日程に合意。裏金事件に関しては参院政治倫理審査会が近く開催される方向で、衆院政倫審も新たな申し出があれば審査する。
 首相は衆院通過後、官邸で記者団に「参院でも丁寧に審議に臨み、早期成立に向けて努力を続けたい」と強調。立憲民主党の安住淳国対委員長は裏金を巡り「逃げ切れると思ったら大間違いだ」とけん制した。
 首相は2日の衆院予算委で、予算案について「能登半島地震の復興や国民生活に深く関わる内容が含まれている」と述べ、年度内成立を確定させることの意義を訴えた。
 予算案は賃上げ促進などが重点。能登半島地震を受け、災害対応などに充てられる一般予備費を5千億円から1兆円に倍増した。社会保障費は過去最大の37兆7193億円に膨らんだ。防衛費も7兆9496億円で過去最大を更新した。
 採決では自民、公明両党が賛成し、立民、日本維新の会、共産党、国民民主党など野党は反対した。6月からの所得税・住民税減税を盛り込んだ所得税法、地方税法の両改正案も衆院通過した。
 憲法の規定により、予算案は参院送付後30日で自然成立する。与党は1日の採決を目指したが、立民は審議時間が不十分として深夜まで抵抗。最終的に土曜日の2日も審議することで折り合った。