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県議会「白紙撤回」要求 うるま訓練場 全会一致で意見書


県議会「白紙撤回」要求 うるま訓練場 全会一致で意見書 うるま市石川の陸上自衛隊訓練場整備計画について、白紙撤回を求める意見書を全会一致で可決する県議会議員ら=7日午前、県議会本会議場
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県議会(赤嶺昇議長)は7日、うるま市石川のゴルフ場跡地への陸上自衛隊訓練場整備計画について「白紙撤回」を求める意見書を退席なしの全会一致で可決した。意見書は岸田文雄首相と木原稔防衛相、自見英子沖縄担当相宛て。23年度補正予算案なども可決した。 (2面に関連)
 政府が2022年に閣議決定した安全保障関連3文書で南西諸島の防衛力強化の方向性を示して以降、自衛隊施設の新設に対して県議会で与野党が一致して白紙撤回を求めるのは初めて。
 意見書案に対しては異議がなかったことから起立採決は行わず、簡易採決で可決した。
 意見書では「地元住民や自治会、うるま市、県にも知らされず発表されるという計画に県民の動揺は隠せない」とした。その上で、計画地に隣接する県立石川青少年の家には年間4万人の児童生徒らが訪れているとして「住民の生活環境に影響を与えかねず、学びの場の確保に支障をきたす恐れもある」と指摘し、白紙撤回を求めた。
 訓練場整備計画を巡っては、うるま市内の全63自治会が加盟する市自治会長連絡協議会が全会一致で反対している。6日には、うるま市議会総務委員会が地元の旭区自治会が提出した計画断念を求める請願を全会一致で採択した。19日の本会議には全会一致で意見書が可決される見込み。中村正人うるま市長や玉城デニー知事も計画断念を求めている。
 防衛省は第15旅団の師団化で人員が増えるため、訓練場整備の必要性を挙げる。一方、計画撤回を求める声の広がりを受け、土地を購入した上で訓練場以外の用途で使うことや、別の場所に訓練場を確保することも検討している。 (佐野真慈)