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賃上げ 大手満額回答 平均4%超へ 中小と差拡大も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2024年春闘が13日、集中回答日を迎えた。トヨタ自動車や日立製作所といった大手が労働組合の賃上げ要求に相次いで満額回答。日本製鉄の回答は要求を上回り、電機、鉄鋼など主要製造業で高水準の賃金上昇が実現する。 (4面に関連)
 歴史的な物価高が続く中、大手で31年ぶりの平均賃上げ率を記録した昨年を上回り、経団連が目指す4%超の達成は確実だ。岸田文雄首相は賃上げ継続へ「あらゆる手を尽くす」と表明。この流れが中小企業に波及するかどうかが焦点となる。 
 賃金と物価がそろって上昇するとの期待が高まれば、日銀の大規模な金融緩和策の転換にも結びつく。ただ物価高を反映した実質賃金は低下傾向が続いており、中小が賃上げで追随できなければ格差が拡大する恐れがある。
 岸田首相は連合、経済界の代表者と政労使会議を開き「昨年を上回る力強い賃上げの流れができている」と述べ、中小が人件費の上昇分などを上乗せする価格転嫁を支援する姿勢を示した。
 車などの産業別労組が入る金属労協の金子晃浩議長(自動車総連会長)は東京都内で記者会見し「物価上昇を上回る回答だ。経済の好循環を実現しうる」と評価した。