パレット市民劇場の参加型芸能プログラム「ウチナー音でちむどんどん」が2月23日、那覇市の同劇場で開かれた。今回は、ウチナー版「かちかち山の巻」(嘉数道彦脚本・演出、阿嘉修振付、仲村逸夫音楽制作)を上演した。
劇中では、観客が持参した楽器でリズムをたたいて客席から“参加”する場面もあり、沖縄芝居の世界を五感で楽しんだ。
ウスメー(玉城匠)とハーメー(高宮城実人)の夕飯を平らげた、たぬき(平良大)はウスメーに捕まってしまう。かわいそうにと思ったハーメーは逃がすが、たぬきはハーメーを殺してしまう。ハーメーのペットだったうさぎ(仲嶺夕理彩)は、たぬきを懲らしめようと背負ったまきに火を付けたり水に沈めたりするが、幽霊になって出てきたハーメーや神たちが「やり過ぎだ」とうさぎを止める。家族と離ればなれになったうさぎ、家族の生活を背負ったたぬき。昔話には出てこない登場人物の背景も描きながら、勧善懲悪ではない世界観で新しい物語を紡いだ。
芝居前には、光史流太鼓保存会師範の久志大樹が解説を交えて太鼓を実演した。身近にある音が出るものを持ち寄った観客は、それを大画面の合図に従ってたたき琉球古典音楽のリズムを学んだ。那覇市から来た冨里一太さん(11)はカスタネットを持参した。「お芝居も楽しかった」と満足げだった。 (田吹遥子)
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沖縄芝居 五感で楽しむ パレット ウチナー版かちかち山
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琉球新報朝刊
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