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選択する権利求めて コール・ジェーン ―女性たちの秘密の電話 ミハマ7PLEX・公開中


選択する権利求めて コール・ジェーン ―女性たちの秘密の電話 ミハマ7PLEX・公開中
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 人工妊娠中絶が違法だった1960年代アメリカ。ジョイは妊娠による心臓病の悪化で、このままいけば助かる確率は五分五分。合法的な中絶を申請するも、男だらけの医師たちはいとも簡単に却下。命の危険を前にジョイが目にした一枚の張り紙には「妊娠? 助けが必要? ジェーンに電話を!」とあった。法で見放された女性たちを、危険を冒しながら助けた団体が「ジェーン」。実話を基に、女性の生きる権利、選択する権利を求めての活動が描かれる。
 1973年に中絶が合法と認められるまで、彼女たちの運動は続くのだが、それにしてもと何度も思うのだ。おかしくはないか? 1人では妊娠しないのに、罰せられるのも女性、危険を冒すのも女性、そして非難されるのも女性。女性が命の綱渡りを強いられているときに男性は一体どこにいるのだ。
 体の自己決定権をなぜ女性からだけ奪うのだろう。自分の身を守るのに、誰の許可がいるというのだろう。監督はフィリス・ナジー。(スターシアターズ・榮慶子)