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バイオリン技法、多彩に 県芸・岡田教授公演 解説交え演奏


バイオリン技法、多彩に 県芸・岡田教授公演 解説交え演奏 無伴奏バイオリンリサイタルでバッハやイザイの作品を演奏する岡田光樹=3月16日、那覇文化芸術劇場なはーと大スタジオ
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 県立芸術大学教授の岡田光樹によるバイオリンリサイタル「弓の技法vol.1」(同実行委員会主催)が3月16日、那覇文化芸術劇場なはーと大スタジオで開かれた。18世紀以降から現在に至るまでの演奏技法の発展と表現の変遷をたどることを目的としたリサイタル。岡田はバッハやパガニーニら4人の作曲家に焦点を当て、多彩なテクニックで演奏し解説した。
 同リサイタルは、タルティーニ、バッハ、パガニーニ、イザイの重要な作品を全6回シリーズで完奏する企画。近代奏法の基礎になる運弓法を創始したタルティーニの「弓の技法」や、バイオリンの演奏技法の指標ともなったパガニーニの「24の奇想曲作品1」を演奏した。
 タルティーニの「『弓の技法』より主題、第1~7変奏(主題)」では、快活な旋律から装飾法を駆使した技法で演奏された。バッハの「無伴奏バイオリンソナタ第一番ト短調BWV.1001」では、バイオリンと弓から奏でられる緊密な音色が叙情性深く奏でられた。
 バイオリンの演奏技法の解説もあり、耳も目も楽しませた。岡田は「通常の人間の可動域を超えた広い音域を把握しながら、さまざまな技法を組み合わせて演奏している」と解説した。後半に、パガニーニの「24の奇想曲作品1」より1~4と、イザイの「無伴奏バイオリンソナタ第一番ト短調作品27―1」を演奏。バイオリン1本でさまざまな音色が繰り広げられ、演奏から深い探究心をのぞかせた。 (田中芳)