<金口木舌>温かな支援の形


社会
<金口木舌>温かな支援の形
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 多くの小中学校で新学期が始まった。先日、量販店を訪れると、学用品を買い求める親子連れの姿があった。子の成長は喜ばしいが、学年を重ねるごとに出費もかさむ

▼文科省の2021年調査によると、公立小学校で1年間に保護者が負担する、子ども1人当たりの「学校教育費」(学用品、通学費など)は平均6万5974円。中学校は13万2349円
▼義務教育は「無償」でも、家計負担は小さくない。部活動などの費用を合わせると、さらに出費は増えていく。保護者が負担する全体像が見えない費用は「隠れ教育費」とも言われる
▼県産原料のスキンケア商品を販売する今林恵美さんが先月、名護市母子寡婦福祉会と、ひとり親家庭の子に靴を届ける「靴基金」を立ち上げた。自身もひとり親で、子を育てる。「サイズの合う靴で、子どもたちに思い切り走ってほしい」と願う
▼成長期は、足のサイズもどんどん大きくなる。靴基金は、ひとり親家庭の隠れ教育費の軽減につながる。希望に満ちた子どもたちに向けた、温かな支援の形を見る。