声楽家・知念利津子のソプラノリサイタル「ソプラノ×ピアノ×チェロの織りなす『愛』3人の演奏家によって描かれる愛の物語」が3月20日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール小ホールで開かれた。大城伸悟(ピアノ)と城間恵(チェロ)を迎え、一般的なコンサートとはひと味異なる演目を演奏し、その魅力を届けた。
知念は県立芸術大学大学院修了後、ドイツ、イタリアへ留学。演目は「いつの日か演奏したい」と学生時代に研究した作品など、温めてきた演目だという。ブリテンやプレヴィン、プーランク、ベルクの近現代に活躍した作曲家の作品を取り上げた。
ブリテンの「キャバレーソング」より「本当の愛ってなにかしら」では、オーデンの詞の訳を舞台上のスクリーンに映しながら、情感を込めた美しい歌声を響かせた。プレヴィンの「ヴォカリーズ」は母音のみで歌う楽曲で歌詞がない。哀愁の中にも優美さがあり、ソプラノ、チェロ、ピアノが融合する情感豊かな作品だった。
終演後、観客に向けてあいさつした知念は「音楽は星の数ほどの楽曲が存在している。現代に近い作曲家の作品にもっと触れていただけるように、これからも頑張りたい」と語った。
このほか、プーランクの「モンテカルロの女」(ソプラノとオーケストラのためのモノローグ)や、ベルクの「7つの初期の歌」などを上演した。 (田中芳)
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知念利津子ソプラノリサイタル 近現代作品 情感豊かに
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琉球新報朝刊