<金口木舌>沖縄の真ん中から


社会
<金口木舌>沖縄の真ん中から
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 うるま市石川に降ってわいた陸上自衛隊の訓練場整備計画と政府の断念。住民の力で国策を覆した喜びに沸く「計画の断念を求める会」の会見写真に目を奪われた

▼泣き笑いの顔。知らない人には何の場面に見えるだろう。代表らが並んだのは、終戦直後の石川市政が置かれた築90年余の石川部落事務所だ。沖縄の新たな歩みが歴史の上に積み重なる
▼政府の断念表明直前、うるま市長や自民県連の代表らが防衛相に計画撤回を要請した時の写真もある。昨年12月の計画表面化から断念までの経緯、さまざまな思惑を反映しているのだろう。居並ぶ面々の表情は微妙な緊張感を帯びている
▼いくら文字を重ねても、時に一枚の写真にはかなわない。この日の紙面に沖縄の人々を活写し続けて土門拳賞を受賞した石川真生さんの姿が並んだのは偶然か
▼「沖縄を真正面から見据え、写真で生きる」と名乗るワークネームは、本島の真ん中の石川に由来する。県内で別の土地を探すという国の基地のたらい回しに、真正面からノーと言い続ける覚悟をもらう。