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小空間で琉球の美 首里テラス デザイン研究室公演


小空間で琉球の美 首里テラス デザイン研究室公演 客席から近距離で琉球舞踊を踊る又吉聖子(右)と演奏する山内昌也=6日、那覇市の首里テラス
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 琉球伝統芸能デザイン研究室の設立5周年を記念した公演「琉球の美―首里城を感じる“ホンモノのモノ”―」が6、7の両日、那覇市首里山川町の首里テラスで開かれた。小空間で、琉球古典音楽歌三線奏者1人と琉球舞踊家1人の「1×1」のパフォーマンスを披露し至福な空間をつくり上げた。6日の公演を取材した。
 琉球伝統芸能デザイン研究室は、琉球王国から受け継ぐ上質な琉球芸能を提供するための事業と人材育成を行う組織として2019年に設立された。「1×1」の公演は20年度にグッドデザイン賞を受賞した。23年6月から同研究室の山内昌也代表が首里テラスの館長を務めている。
 6日の公演では、琉球古典音楽野村流音楽協会師範の内間安希と柳清本流和華の会二代目・師範の永山玲緒奈で「苧引(うーびち)」を披露。客席の間を通って舞台の畳間に上がるまでの永山の歩みは、存在感も含めて神秘的に感じた。空間に響く内間の歌声と芭蕉を織る所作を表現する永山の舞は、上質な心地よさを感じた。
 デザイン研究室代表で野村流音楽協会師範、湛水流保存会師範の山内の歌三線と、玉城流いずみ会師範の又吉聖子の踊りで「伊野波節」を披露した。又吉の打ち掛けの裾が畳にすれる音、山内の打音の微細な音までもが空間を創出した。小空間で見て聞くからこそ感じる、揺るぎない美の世界があった。(田吹遥子)