<金口木舌>沖縄国際映画祭エピソード2


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<金口木舌>沖縄国際映画祭エピソード2
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 沖縄国際映画祭が幕を下ろしてから1週間が過ぎた。国際通りでのレッドカーペットは最後も大盛況。人々は宴に酔いつつ終幕を惜しんだ

▼映画と沖縄は縁が深い。全てを焼き尽くした沖縄戦の後、県民が入れられた各地の収容所では映画が上映され、失意の人々に希望をもたらした
▼戦渦の傷痕が色濃い1948年、米軍から正式に認可された戦後初の映画館「アーニーパイル国際劇場」が那覇市牧志にできた。レッドカーペットで俳優らが歩いた「国際通り」の由来となる映画館だ
▼最後の映画祭で上映された「不死鳥の翼」は首里を舞台に夢を追う人々を描く。首里劇場の館長役が言う。「文化の火を絶やしてはならない」。最期まで映画館を守った実在の館長の意地が、役者のせりふとなって放たれた。映画祭の終幕と重なり合う
▼同作に出演した、ろう者の俳優大城桜子(ようこ)さんは「夢破れても心に情熱があれば、また燃やして夢を見続けられる」と舞台あいさつで伝えた。好評の映画には続編がつきもの。映画祭もエピソード2を期待してしまう。