高良幸子バレエ団・研究所の第48回定期発表公演が4月14日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールで開かれた。昨年に引き続き、新国立劇場バレエ団でプリンシパルを務める小野絢子らをゲストに迎え、「くるみ割り人形」全幕を上演した。第一線で活躍するバレリーナと高良幸子バレエ団・研究所の生徒らが共に作り上げた舞台が観客を魅了した。
ほかのゲストは、新国立劇場バレエ団ファーストソリストの中家正博、フリーダンサーの吉瀬智弘。高良幸子バレエ団門下生の松川夏子、上原なつき、同バレエ団指導者の与儀清和、下地麻衣子も出演し、舞台に厚みを与えた。
「くるみ割り人形」はクリスマスの夜、くるみ割り人形をプレゼントされたクララが不思議な旅に出る物語。第1幕で描かれたクリスマスの客間では門下生らも出演し、にぎやかに始まった。雪の結晶たちによる群舞と雪の女王役の下地やクララ役の川満美玲の舞がひらひらと交差し、幻想的な空間を作り上げた。
第2幕のお菓子の国では小野が金平糖の精として登場。小野の舞は、指先まで美しく繊細で気品にあふれており、所作の一つ一つに引き込まれた。王子役の中家にも高い技術と華があり、2人のグランパ・ド・ドゥに会場はとりこになっていた。ドロッセルマイヤーを演じた吉瀬は、紳士的でありながら不思議さも醸しだし存在感があった。クララを演じた川満は、はじけるような舞がかわいらしかった。
第1幕でフリッツ、第2幕でチョコレートの精を演じた宮城祥多の高いジャンプも印象に残った。研究所のレベルの高さと、舞台を作り上げる喜びを感じる公演だった。
「くるみ割り人形」の前には、研究所の生徒らが総出演で踊りを披露した。プレバレエクラスやベーシッククラスなどの子どもたちによるかわいらしい舞に、会場も笑顔に包まれた。
研究所では、パンフレットの売り上げ全額を能登半島地震の被災地に寄付した。 (田吹遥子)
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プロと共に「くるみ割り人形」 高良幸子バレエ団・研究所公演 新国立・小野絢子ら共演
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琉球新報朝刊
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