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迫力の刀の立ち回り 時代人情劇「仏桑花(あかばなー)」 劇団与座


迫力の刀の立ち回り 時代人情劇「仏桑花(あかばなー)」 劇団与座 平安名(新垣勝夫・左端)や内間(与座幸賢・右端)に囲まれ、幸地(与座朝奎・右から4人目)が最期を迎える場面=12日、那覇市泉崎の琉球新報ホール
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 劇団与座(与座朝奎座長)による「2024年母の日に贈る劇団与座」が12日、那覇市の琉球新報ホールであった。28年ぶりの上演となった時代人情劇「仏桑花(あかばなー)」(作・平安山英太郎、演出・瀬名波孝子)や舞踊劇など豊富な演目で観客を沸かせた。
 「仏桑花」は、互いの妹やいとこを妻にすることを誓った幸地(与座朝奎)、平安名(新垣勝夫)、内間(与座幸賢)の親友3人に降りかかる悲劇を描く。平安名に嫁ぐことになる幸地のいとこ真鶴(島袋ゆかり)は幸地を慕っていた。真鶴に恋破れた湧川(糸数きよし)のたくらみで幸地は内間、平安名と仲たがいする。
 幸地に対して内間と平安名が刀を抜き、血みどろになる立ち回りは迫力があり、不本意にも親友と争うことになった悲しみが表情から伝わってきた。幸地があかばなーを持ちながら死にゆくクライマックスは観客の涙を誘った。 (中村優希)