フリとオチ　笑いの渦　喜劇「年ぬ夜（ゆーるー）」　劇団群星

　劇団群星（宮里良子座長）は１１日、喜劇「年（とぅし）ぬ夜（ゆーるー）」（宮里演出）を那覇市辻の料亭那覇で上演した。演者のせりふ、観客の雰囲気に合わせたアドリブ、笑い所の多い演出に会場は笑いの渦に包まれた。
　新暦の大みそか。酒、金にだらしないゴンゴロー（新垣正弘）から借金を取り立てに、しし屋（上間朝子）、タムン屋（安次嶺正美）、家主（糸数きよし）が集金に来る。ゴンゴローは、威嚇や矛盾したうそで対応して状況は悪化。妻のグジャー（宮里）が機転を利かして鮮やかに３人を丸め込む。
　ゴンゴローの開き直りで白熱する言い争いを見せて「フリ」が成立し、グジャーが状況を巻き返す勢いを見せて、見事「オチ」をつけた。
　玉城流翔節会家元の玉城節子による舞踊では、その一挙手一投足に観客が息をのんだ。前川守賢の「元ちゃんショー」はアイドルさながら会場を一体にし、子ども舞踊集団「かりゆししんか」の「花城」などもあった。バラエティーに富んだ舞台は終始、笑いと感動を観客に届けた。　（嘉手苅友也）