米大使、与那国訪問 石垣も 陸自2駐屯地を視察


米大使、与那国訪問 石垣も 陸自2駐屯地を視察 与那国町を訪れ、日本最西端の碑の前で糸数健一町長(右)と握手するエマニュエル駐日米大使=17日
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【八重山】ラーム・エマニュエル駐日米大使が17日、米軍機で与那国町と石垣市を訪れ、それぞれの陸上自衛隊駐屯地などを視察した。与那国町への駐日米大使の訪問は初めて。 (2、23面に関連)
糸数健一町長と共に台湾の方角などを望む最西端の碑を訪れ、報道陣の取材に応じた。対中国を意識した発言を繰り返し、日米連携を強調した。「抑止力は八重山諸島で重要だ」と述べ、安全保障や抑止力整備の重要性を語った。
県によると、米軍機による与那国空港の使用は記録が残る1997年以降で初めて。空港前では住民が訪問に抗議した。
エマニュエル氏は駐日米大使が与那国を訪問することは「中国にとって都合のいいものじゃない」と中国をけん制。米側と自衛隊の連携をアピールし、軍事的にも経済的にも日米同盟は重要で「経済安全保障と抑止力はセットだ」と述べた。その上で「抑止力をしっかり示すために日米がパートナーシップを結ばないといけない」と話した。
同日午後には石垣市の川平湾や石垣海上保安部の巡視船を視察した。中山義隆市長は出張で不在だった。石垣駐屯地前ではエマニュエル氏が乗った車両に向けて、市民が「私たちの島を戦場にするな」と抗議の声を上げた。
玉城デニー知事は米軍機が空港を使用したことについて「大変遺憾だ」とコメントした。 (照屋大哲、知念征尚、明真南斗、中村万里子)