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閣僚ら19団体 使途公開緩く 後援会など 政治資金不透明に


閣僚ら19団体 使途公開緩く 後援会など 政治資金不透明に 国会議員側と資金的、人的つながりがある「その他の政治団体」の状況
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政治資金の使途公開基準が厳しい国会議員関係政治団体や議員本人と資金的、人的つながりがあるのに、基準が緩い「その他の政治団体」として届けられた後援会などが、閣僚・党首の14議員で少なくとも19団体(3月末時点)あることが19日、共同通信の調査で分かった。うち、2020~22年に関係団体から寄付による資金移動があったのは6議員8団体で、移動額は5246万~150万円。 (3面に関連)
 自民党の茂木敏充幹事長らを巡り多額の資金移動が国会で取り上げられたのを受け、自民党が提出した政治資金規正法改正案は年間1千万円以上の資金移動があった場合に、その他団体の公開基準を厳格化するとした。今回の調査で該当するのは新藤義孝経済再生担当相1人にとどまる。
 閣僚と主要9政党党首を対象に関係団体と住所が同じ政治団体の届け出内容や資金移動の有無を調べた。20~22年の政治資金収支報告書によると、関係団体からその他団体に資金移動があった6議員は新藤氏のほか小泉龍司法相、林芳正官房長官、木原稔防衛相、高市早苗経済安全保障担当相、日本維新の会の馬場伸幸代表。馬場氏は「透明性を上げるため、その他団体だった後援会を24年度から関係団体にした」と説明した。
 移動額は3年間の合計で新藤氏が5246万円と最多。小泉氏が2団体で2992万円、林氏が2団体で1050万円と続いた。6議員8団体は、関係団体と会計責任者が同じといった人的つながりもあった。各議員の事務所は「後援会に必要な資金」「法令にのっとり適正に処理した」などとしている。
 他に議員側からの借り入れや事務所無償提供、関係団体への寄付といった資金的つながりが松本剛明総務相、斉藤鉄夫国土交通相、加藤鮎子こども政策担当相、教育無償化を実現する会の前原誠司代表の4議員5団体。
 資金的つながりはないものの、人的つながりがあったのは斎藤健経済産業相、土屋品子復興相、松村祥史国家公安委員長、立憲民主党の泉健太代表の4議員6団体だった。
 調査の方法 閣僚と主要9政党党首を対象に、国会議員関係政治団体の所在地を2020~22年の政治資金収支報告書などで確認。総務省や自治体選挙管理委員会に同じ住所にある政治団体を照会し、計40団体把握した。政党の地域支部や地方議員の後援会などを除外し、各団体の収支報告書から議員側との資金的、人的つながりを調べた。