「国境」という名のたかが1本の「線」が越えられない。線をまたげるか否かで人の命が左右される。これまでもいろいろな映画が、この「線」の無情さを描いてきた。北朝鮮、中国、ミャンマー、イスラエル、イラン、シリア…、危険な境界線の内側に、たまたま生を受け、苦しむ人々の戦いや嘆きが、スクリーンに映し出されてきた。
今回描かれるのは、平和な国と、危険な国の境界線で、秘密裏に失われていく命たちの真実。「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報を信じ、中東の紛争を逃れて国境までやってきたシリア人家族。
しかし、たどり着いた彼らを待ち受けていたのは、武装したポーランドの国境警備隊だった。ウクライナの難民を大量に受け入れる反面、中東からの難民受け入れには難色を示したポーランド。国家の威信をかけ、隠し通したかった真実が、スクリーンに映し出される。監督はアグニエシュカ・ホランド。(桜坂劇場・下地久美子)
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「線」の無情さと真実 人間の境界 桜坂劇場・あすから
![「線」の無情さと真実 人間の境界 桜坂劇場・あすから](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/05/RS20240521G00279010100.jpg?resize=615%2C410&crop_strategy=smart)
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琉球新報朝刊
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