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来月から初診料引き上げ マイナ促進で患者負担増も 窓口負担最大219円増


来月から初診料引き上げ マイナ促進で患者負担増も 窓口負担最大219円増 診療報酬改定と患者負担のイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 医療機関の収入に当たる診療報酬が6月1日から改定され、初診や再診、入院時にかかる診察料金が引き上げとなる。看護師ら医療従事者の賃上げ原資を確保する狙い。現行の健康保険証の廃止期限(12月2日)が半年後に迫る中、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用を促進するための料金も新設。いずれも患者が窓口で支払う金額(診察料金の1~3割)は増加する。
 原則、初診料は従来より30円増の2910円、再診料も20円増えて750円となる。入院基本料は、病棟の種類に応じて1日当たり50~1040円引き上げる。これとは別に、病床のない診療所が看護師らのベースアップ(ベア)を行う場合、初診料に最大700円が上乗せされる。再診料も同様にベアの実施で最大100円の上乗せがある。病院などがベアを行う場合、入院基本料に最大1650円が上乗せされる。
 3割負担の患者の窓口支払額は、初診で9~219円、再診で6~36円増える。
 ベアの実施に伴う上乗せの金額や時期は医療機関の意向や職員数などで決まる。訪問診療や歯科外来では金額設定が異なる。薬の公定価格「薬価」は先行して4月に改定されている。
 マイナ保険証を治療に活用する態勢を整えた医療機関では、診察料金が加算される仕組みが設けられる。歯科を除く診療所や病院では、マイナ保険証と現行保険証のどちらを使っても80円増額となり、3割負担の患者は24円を支払う。
 マイナ保険証の利用率は6%台で低迷している。政府は加算によって医療機関から患者に対し、マイナ保険証の利用を促してもらいたい考え。患者の負担は増えるため、反発を招く可能性もある。