日中国防相　対話推進　董氏「脅威にならぬ政策を」

　【シンガポール共同】木原稔防衛相は１日、シンガポールで中国の董軍国防相と会談した。尖閣諸島を含む東シナ海情勢やロシアとの連携など中国の軍事活動の活発化について深刻な懸念を伝えた。台湾海峡の平和と安定の重要性も強調した。安全保障上の懸念に対し防衛当局間の議論を重ねるべきだとの考えを示し、意思疎通の継続を確認した。
　日中防衛相会談は昨年６月以来で、その後就任した木原、董両氏の間では初めて。
　会談で木原氏は、東シナ海情勢や日本周辺における中国の軍事活動の活発化を挙げ「多くの懸念が存在している」と指摘。「こうした懸念があるからこそ防衛当局間で率直な議論を重ねる」と強調した。
　董氏は、友好的な相互認識を確立してこそ関係改善が進められるとし「互いに脅威とならないとの政治的コンセンサスを具体的な政策と行動に移すべきだ」と述べた。
　両氏は、昨年５月に始動した日中の防衛当局幹部間を直結するホットライン（専用回線）の安定運用を含め、対話推進で一致した。
　木原氏は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を巡り、強く非難した。