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少子化対策法きょう成立 支援金確保へ保険料上乗せ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田政権が今国会の目玉政策に掲げる少子化対策関連法案は4日午後の参院内閣委員会で自民、公明両党の賛成多数により可決した。5日の本会議で可決、成立する見通し。公的医療保険料に上乗せして幅広い世代から徴収する「子ども・子育て支援金」を2026年度に創設する。児童手当や育児休業給付の拡充に支援金を充てる。立憲民主党や日本維新の会など野党は「事実上の増税だ」と支援金を批判し、法案に反対した。 (17面に関連)
 岸田文雄首相が23年1月に「異次元の少子化対策」に取り組むと表明し、約1年半かけて検討、議論してきた政策が順次実行に移る。赤ちゃんの生まれる数は減少が続き、22~23年は2年連続で70万人台となる見込み。少子化に歯止めをかけられるかどうかが問われる。
 支援金は26年度に総額6千億円を徴収。順次引き上げ、28年度に1兆円とする。個人の負担額は加入する公的医療保険や収入で異なる。会社員らの被用者保険、自営業者らの国民健康保険、75歳以上の後期高齢者医療制度に関し、政府はそれぞれ年収別に試算。月50~1650円と幅が出た。
 政府は支援金を巡り、社会保障の歳出削減の範囲内で構築するため「実質的な負担を生じさせない」と繰り返し主張。歳出削減の具体策には踏み込まなかった。野党は「増税批判を避けるため取りやすいところから取る。医療保険の目的外使用だ」と指摘した。
 児童手当は、所得制限を撤廃する。現在0歳から中学生までの支給を高校生年代に延長。第3子以降は月3万円に倍増する。24年10月から実施する。低所得のひとり親世帯向けの児童扶養手当は11月から、子どもが3人以上いる多子世帯の加算を増やす。