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中小賃上げ率3.62% 日商 大企業5.58%と格差鮮明


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本商工会議所は5日、中小企業の2024年春闘の結果を発表した。正社員の月給の平均賃上げ率は3・62%と、5・58%だった大企業との格差が鮮明となった。異例の労使共闘で産業界の隅々まで賃上げの動きが広がったものの、物価高騰を考慮すると実質マイナスが続いている。多くの世帯は家計のやりくりが依然として厳しい。  (6面に関連)
 日商が賃上げ率の集計を発表したのは初めて。月給には定期昇給やベースアップが含まれる。3・62%の賃上げは、金額ベースでは9662円。平均賃上げ率は従業員が20人以下の企業に絞ると3・34%だった。
 日商の担当者は、賃上げの継続には、人件費などの上昇分を大企業との取引価格にきちんと転嫁していくことが欠かせないとの認識を示した。
 平均賃上げ率は業種による差が目立った。最も高かったのはサービス業の4・57%。医療・介護・看護業の2・19%が最も低く、運輸業も2・52%にとどまった。
 賃上げを24年度に「実施する」と回答した企業は74・3%に達した。このうち「業績の改善が見られないが実施する」とした企業が59・1%を占め、従業員の離職回避を優先している状況が浮き彫りになった。